「「やぁ」」「「よう」」


青年とカエン
二人は同時に
言葉を交わす。
驚いて何も言えない
5人を尻目に・・・。


「ほらね、
すぐ会えただろ??」


その無邪気な笑顔は
どこか恐ろしさをも
醸し出していた。


「・・・」


「あれ?」


「・・・」


緊張感がまったくないのか
すやすやと
寝息を立てるカエン。


「クス、寝たのか・・・
君はホントに
おもしろいね」


「なんでヒスイ様を
無視するですか!?
恥知らずもいいトコでし!!」


我にかえった子供が
カエンを叱咤する。


「おい、起こすなよガキ」


セイトはまだ
本に目を向けながら
話している。


「なんですと!?コロンは
ガキじゃないでし!!」


半泣きである。


「貴方、いい本を
持っていますね
私も愛読しているんです」


気がつくと
セイトの背後には
白衣ならぬ黒衣を着た
医者らしき魔族が
立っていた。


(コ、コイツいつの間に!?)

驚きが隠せないセイト
大切なプライドを
踏みにじられたコトで
彼は剥き出しの殺意を
相手にぶつける。


「貴様ぁぁぁぁ!!」


「来るのですか??
いいでしょう、始めますか」


飛びかかるセイト
身構える黒衣の医者

しかし二人の攻撃は
交差するコトはなかった。