あの後どうなったのかは
知らないが
私は医務室らしい部屋の
ベッドに寝かされていた

聞こえてきた話によると
ここは闘技場で
珍しい『そうとう』を
持った男が
ここまで運んできたそうだ。

そうとうってなんだろ??

なんにせよ
その人に会って
ありがとう、と
言いたかったが
朦朧とする意識の中
そんな余裕は全くなかった。

そして何故か
『あいつ』の顔が
頭に浮かんだ。

今は休もう、これから
こうして休める時が
こなくなるかもしれない。

暖かい毛布にくるまり
私はすやすやと
寝息を立てた・・・。