「ここにいてね」
ほんの少しの間だけど
ミカエルは僕の先生だった。
あの時はカエンを殺されたコトで
ミカエルを恨んだりもした。
でもやっぱり
見捨てられない
カエンやみんな程じゃ無いけど
ミカエルも僕の大切な人に
かわりないんだ。
「行くな・・・
行ったところでどうにもならん
お前は仲間のところに戻れ!!」
捕まれた手のひらに
もの凄い力を感じる。
ルシファーも必死なんだ。
わかってる・・・
あんなカエンの姿
僕には見せたくないんだろ?
ルシファーは優しいね。
「僕が、行かなきゃ
感じるんだ・・・
生まれて初めて
自分の生きてる意味を
僕は、出来損ないじゃ、ない!!」
ルシファーを振り払い
もと来た道を再び戻る。
『使命です・・・』
『あなたしかできない』
『さぁ、トード』
『行きなさい』
心の奥底まで聞こえる
誰のものかも知れない声が
疲れた体を突き動かす。
「僕は、カエンの友達だから」
次第に消えていく心の声
一番最後のは
何を言ってるかすら
わからなかった。
それでもいい・・・
僕とカエンには
切っても切れない糸がある。
誰がなんと言おうと絶対に
『時術と空術は惹かれあうから』

