†魔界戦記†



深々と腹部に突き刺さる刃

火焔の手のひらから
真っ直ぐ突き出たその刀は
ためらうコトなく
急所めがけて伸びていた。


「ルシファー!!」


トードとミカエル
二人の叫び声が聞こえる。

それにしても・・・

無限力かよ・・・

手のひらに刀の破片
埋め込んでやがったな。


「さすがの・・・俺様も
気・・・づかな・・・かった」


頭からゆっくり地上に
落下していく感覚

うぷ・・・酔いそうだ。


死ぬ、のか?


「うひゃあっ」


うまい具合に
僕の作った水球に
無事着地したルシファー。

でも、予断は許されない状況だ。

早く止血しないと・・・


「・・・待たせたな!!」


空気が、痛い

森全体が震えている。


「天界、第三級断罪魔術
これを使うのは
アスモデウス討伐以来か・・・
ゆくぞ、火焔【ジハド】!!」


いつの間にか
ミカエルの背中にあった
他の天使に比べ巨大な金色の輪が
カエン・・・
いや、今は火焔か・・・
に向けられていた。

両手を前に突きだし
先程まで溜め込んでいた魔力を
限界まで輪に移す。

それに呼応するかのように
輪は回転数を上げていく。

もう、今にも
発射されそうだ・・・


「ミカエルッ・・・だめ!!
だめだよぅ」


もう、届かない。


「裁けェェェェェ!!!」