ゴォォォォ
火焔の足下から
円形状に炎が吹き出し
広がっていく。
勢いよく弾き飛ばされ
大木に後頭部を強打し
半ば気を失いかけたが
なんとか気力で踏み留まれた。
「魔焔術・弍式【灼焔】」
地面が崩れ
真っ赤な熔岩が見え隠れする。
火焔は少し薄ら笑いを浮かべると
両手から刀を二本、精製した。
ここ数日で完成させた
創術である。
「師匠相手に剣術を挑むとは
お前、バカになったな」
おごったワケではない。
挑発したワケでもない。
もとより、今の火焔には
これでしか勝機を見い出せない。
こちらにとっては
好都合でなコトであった。
ガガガガガガガ
刀と刀がぶつかり合う
火花が散り衝撃が走る。
それでもお互い
傷一つついていない。
「ぬぅ・・・これは!?」
火焔の二刀による攻撃は
何かが取り憑いたように速く
時間が経つにつれて
ルシファーは受ける一方に
なってしまった。
(このままでは・・・マズイ
ヤツの動きの先を
読むコトが出来れば・・・ッ!!)
まずは・・・
右刀、横薙ぎ
続いて切り返し
寸隙入れずに左刀横薙ぎ
両手による平突き二刀
ここで・・・
壊す!!
激しい音と共に
砕け散る二本の刀
この勝負、勝った。
そう思った、次の瞬間
ドスッ

