ここまでのものとは・・・

誤算だった。


我らが主・神


あの御方の言った通り
トードは覚醒した。

しかし、この展開は
予測出来なかった。


まさか、大天使の私が
手こずるとはな・・・

そう言ってミカエルは
クイッと槍の先端で
トードを仰向けにひっくり返す。

傷一つついていない綺麗な体

まぁ、それが
指令内容だったのだが・・・


「肺と肋骨と・・・
もしかすると、腎臓まで
もっていかれたのか?」


我々天使の体
そして、魔族の体のつくりは
人のそれとなんら変わりはない。

違うと言えば・・・
それは悪魔の体だろうか?

本来心臓に魔力は溜まっていく
しかし、悪魔となれば
魔核とよばれる魔力保管庫が
存在するようになる。

そして外面にも変化が表れる

悪魔によってその変化は
様々であるが
大体の者は頭に突き出る
鋭い角、剥き出しの牙
そして悪魔羽が生えたりと
見るからに異形のものとなる。

しかし、中には
変化を表さない悪魔もいる
ごく一部の上級悪魔だけだが

見分けるのは簡単だ・・・

普通の悪魔と変化しない悪魔

共通していえるコトは


その顔に刻まれた
不規則な紋様である。

どんな者でもこれは表れる。

それは間違いない事実だ。


現にルシファーには
うっすらと紋様か浮き出ていた。


「・・・愚かな・・・」


これは・・・涙?

まだ私にも未練があったか・・・

ならば、今

それは捨て去ろう。