「また・・・
当たってないのに」


ミストの体中には
不規則に切り傷がついており
『一太刀』というのには
あまりにも法則を
無視しすぎているものだった。


「キミがミストちゃんだね
なんだか知ってるや
僕は霊剣プシェル!!
色々うわさは聞いてるよ」


見えた。


ミストにははっきりと
『それ』が見えた。

悲鳴を上げながら
振動を繰り返す
ドクロの邪気が。


「こいつはレクムンド
なんだか知らないけど
僕の相方さ」

無邪気な笑顔は
トードに似ているのだが
その顔からは
何も読み取れない。

ミストが斬られたのは
どうやら
あの鋸のように震えている
妖気が原因らしかった。


「なんだ、そうゆうコトなら」


地面に地脈を司る
魔方陣を描いていく。

阻止しようにも
プシェルは大剣のせいで鈍重。

とても詠唱までに
追いつけたものではない。


「完成っと、いくわよ」


【水孤】(ミリシャウル)召喚!!