ギィィィ


扉が開くと同時に
ほこりが大量に散る。

古くさい朽ちた木の臭いと
つーんと鼻を突く
カビの臭いが

並の生活環境でないコトを
ありありと示していた。





いた。







ジャラジャラと
金属と金属を
擦り合わせる音が
部屋に響いている。

枷を付けられた彼女の顔は
弱々しく、見ているだけで
カエンは胸が
締め付けられるようだった。


「また会ったね」


ゆっくりと近づくカエンに
女の子は優しく微笑み
気丈に明るく振る舞った。







ここで聞かされるコトは
後のカエンの生き方を
そして世界を

















左右することになる。