まぁ、家柄なんどか、婚約や結婚の話は出てたものの
私が乗り気じゃないのですべて破断させていた。

でも今回のおじい様は強引だ。
すべての拒否権が通じなく、この結婚を成立させようとしているのだ。



そこで、志保の母はご立腹。


こんな無理やりの結婚なんてありえない!
志保は柳瀬川のモノじゃないのよ!

離婚して、志保を引き取るわ!
柳瀬川をすててやる!!


といって、大騒ぎ。



まぁ、それで父が
でも、僕はサツキさんが大好きだから離婚はしたくないなぁ~


といつもの調子でやんわりと却下。


いつまでたっても収集が継がず、

ついには留学中の建志まで呼び戻される始末。



「でも、柳瀬川のおじい様が持ってきた縁談でしょ?
 相手のこともあるし、
 無下に断れないね…。」


奈津美は困ったように、顔をしかめる。

奈津美も老舗百貨店の社長令嬢だ。
そこんとこの事情はよくわかってる。


まるで自分のことのかのように一緒に悩んてくれる親友がいて
ホントによかったな。うれしくて志保に笑みがこぼれる。


「ありがとう。奈津美」

「え?なんで?」




それを見ていた建志も、
思わず笑みがこぼれた。


建志にも、
奈津美がいかに志保を心配しているのがわかる。

奈津美はすごくいい子なのだ。



「俺、絶対、奈津美ちゃんには手を出さない。」

志保の耳元でささやいた。




当たり前だ!バカ兄貴っ!