禁断の果実


話は車の中で聞こう。

俺は雪希唖がいるブランコまで走った。

「雪希唖!」

雪希唖は振り向いた。

『せんせぃ…』

「話は車で聞くから、車に乗ろうか?」

『…はぃ。』

雪希唖はずぶ濡れになっていた。

俺達は車に急いだ。

ガチャ

「これで頭とか拭いて?」

『ありがとぅござぃます…。』

俺もタオルで頭を拭いた。

「…なにがあった?」

『・・・・・お母さんが…』

雪希唖は俯きながら話し出した。

『お母さんが今日…死んじゃったの…。』

「えっ…?」

『胃がんで…2、3日前から入院してたんだって…。』

雪希唖の唯一の家族…。