禁断の果実



609号室のドアの前には

親戚の人がたくさんいた。

嘘…。

でも、一人だけ知らない男の人がいた。

誰だろう…?

私は病室に入った。

ベッドで眠っているお母さんの姿。

私はベッドに近づいた。

『お母さん…?』

「2、3日入院してたのよ…。」

男の人と出かけてたんじゃなかったんだ…。

『お…かぁさん…。なんで…まだ・・・・母親らしぃ事されてなぃよぉ…?』

いくら体を揺すっても、お母さんは

目を開けない…。

『お母さん!起きてよ!グスッなんで…なんで…死んじゃったの…?』

いくら酷い事を言われても、

お母さんの事は嫌いにはなれなかった…。

だって…

血が繋がっている親子だもん…。

『うぅぅわぁぁぁんゥッグスッ』

私は崩れ落ち泣き叫んだ…。