雪希唖が座っていた席に

美紅が来た。

雪希唖は窓側の一番後ろ。

教壇から一番遠い場所。

俺から一番遠い場所…。

「せんせぇ♪」

美紅が話しかけて来た。

「なに?」

「せんせぃは彼女いるの?」

なんでそんな事聞くんだ?

「いないよ?」

「そっか♪」

雪希唖の方を見ると、

ズキッ!

なんでそんな顔してんだよ…。

美能留と至近距離で何か話していて、離れると

顔を真っ赤にして、何か言っている…。

俺にはそんな顔してくれないんだな……。

胸が痛い…。

俺はいてもたってもいられなくて、授業を終わらせ

教室を出た…。


男なのになんで涙なんか

出てくんだよ…。

俺は屋上に逃げ込んだ。

幸い次の時間は授業が入っていなかった。

屋上から見る空は

すごく綺麗だった…。