「待ってるから!」 「俺、待ってるから、妃那が追いかけてくるの!」 「待ってるから。ちゃんと一年、いつもみたいにお前が追いかけてくるの」 こんな約束をしたのは今年の春。 いつも遊んだ丘に立つ大きな木の下で。 涙でぐちゃぐちゃな顔で妃那は「うん」と答えたのだっけ。