【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐



――……。


……。


翌日。




「本当に送らなくて平気?」

「うん、大丈夫」

「て言うかまだ朝だし、もう少し居たら?」


「いや、今日は帰るよ。 家に帰って二度寝する」

「あはは、二人で寝るには狭かったもんねー。
私も朔也が行ったら二度寝するー」


布団の中で眠たそうに目をこするマコ。
それを見て小さく笑い、髪の毛をそっと撫でる。




「また来る」

「うん。 私もまた行くね」

「あぁ」


「約束だよ?」

「うん、約束」




小指と小指をそっと合わせ、二人で笑い合う。
それからマコは、確かめるように俺を見た。


「…昨日のは、本当にホンモノだよね?」


昨日と同じ、不安そうな顔してるマコの髪を、もう一度優しく撫でる。




「大丈夫」


そう言ってマコの唇に自分の唇をあて、ゆっくりと離れる。




「また来るよ」


その言葉と共に、振り返ることなく部屋を出た。