【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐



「ほんとほんと!!
私の部屋2階なんだけどさぁ、気配を感じて窓の外を見たら、カーテンの隙間から男の人が見てんの!!
もうねー、ビックリして死ぬかと思った!!」

「………」


「でも、目が合ったらすぐ逃げてって、それっきり見てないから平気。 だと思いたい! あははっ」


……危ない話なのに、よくへらへらと笑っていられるなぁ…。




「…まぁでも、怪我とか無くてよかったよ」

「あ、心配してくれるんだ?」


「そりゃあ、一応女の子だしね。 一応、ね」

「あははっ、一応は余計でしょー。 しかも強調しすぎ!」


そんな話をしながら、マコの部屋へ。




「あれ?」




…だけどすぐ、マコが不思議そうに首を傾げた。

その理由は、すぐわかった。




「…鍵、開いてる」


……ドアの鍵が開いてる。




さっきまでへらへら笑ってたマコの顔から、サーッと血の気が引いていくのがわかった。


「………」

「………」




ドアを見つめて立ち尽くすマコ。

彼女を2歩後ろにやり、ドアノブに手をかける。




「朔也っ…」


マコが小さく止めるけど、それを制してゆっくりとドアを開く。