学校のベンチに腰をかけてる結夏ちゃんを発見。


あれ?



寝てる?



薄暗い中で結夏ちゃんの体がユラユラ揺れているのがわかった。


「結夏ちゃん!風邪引くよ」


「んー……渉…くん?」


目の前に立つ俺を上目遣いで見る結夏ちゃん。


計算でやってるのかってくらい可愛い仕草だけど、結夏ちゃんは天然だ。


計算なんて、出来るほどの頭のいい女の子じゃない。


「……渉くん!?はっ早かったね」


ようやく目覚めたのか……


「待たせてごめんね」


「いえいえっ……」


「じゃ、送るね」


「えっ?」


俺の言葉にビックリする結夏ちゃん。


「送るって……いいよ!あたしん家遠いしっ」


噂で聞いた通り、結夏ちゃん家は遠いらしいな。


でも方向は同じで俺ん家の方が近い…登校の道が同じだからね。


「いいから、危ないし、送る。」


「で、でも……」


「いいから、いいから。結夏ちゃんは可愛い女の子なんだから、誘拐されちゃうかもしれないしね」


「お世辞言ってもなにもでてこないよっ、あたし可愛いより、ブスだから。鈍臭いって良く言われるし……」

次々と自分の嫌な所を言う結夏ちゃん。


「しーー……」


俺はそんな口を塞いだ。

人差し指で。


「っ…!!わっ渉くん」


俺の指は結夏ちゃんの唇を沿った。


「行こうか。」


あー。ゾクゾクした……


脳みそがキスしたいキスしたいって叫んでたよ。