彼女と言っても、付き合ってる“彼女”と言う意味じゃない。


俺が想いを寄せてる人だ。


「渉先輩!指示してください」


「…あ、わりぃな…」


俺は慌てて後輩に指示をだす。


バスケの部長の俺。


頼りにならないんだろうな。


部長になれと顧問から言われて、なってみた。

意外と面白いものだ。


別に、後輩をイジメられるとかそーゆう趣味じゃない。


「おい、渉、外にお前の愛しの結夏ちゃんがいるぞ」


結夏…


俺が想いを寄せてる人。


体育館の扉から見える制服姿の彼女。


俺はボーッと彼女に見惚れていた。


「あ、渉くんだ」


彼女は俺に気づき話をかけてくれた。


「結夏ちゃんじゃん、ここでなにしてるの?」


俺が尋ねると彼女は顔を赤くして俯いた。


なんで?



俺が疑問に思うと彼女は呟いた。




「渉くんを…探してて……」