あたし。


渉くんが欲しいよ。


中学生だから…

子供だから…


そんなの…関係ないよ…


好きだから…大好きだから…


欲しいって思えちゃうんだよ…



あたしはギュッと渉くんの服を掴んだ。


「結夏?」


「渉くん……」


「ん?」


「こっ今週の日曜日!あ、空いてますかぁ!??」


つい声が裏返ってしまった。


「ぷっ!結夏噛みすぎだよ、俺、明日誘おうと思ったのに、結夏に越されちゃった」


「じゃあ……」


「うん、デートしよっか」


デートという響きにあたしは赤面。

そんなあたしを見て、渉くんは笑った。



「じゃあ、また明日ね」


「じゃあね」


あたしは渉くんの背中が見えなくなるまで見送った。