「 ・・・・澪 」




部屋に入っても私はまだ
先生に抱きついたまま
ただ黙ってしがみついていた。




少し困ったようなその声に
離れようか、と一瞬腕の力を
緩めたけど、




今は、離れるのが怖い。




「 ・・・このままで居たい? 」


「 ・・・・・ 」




先生の首筋に顔を埋めて
少しだけ噛んでみる。
それが返事だと受け取ったのか
”そっか”とそのままソファに座って
私の頭を撫でた。




足、痛くないのかな。




先生だって疲れてるのに
私のこんな我侭に付き合わせて・・・・




「 澪、こっち向いて 」




出てくるのは後悔と自分を責める言葉。
弱虫で泣き虫な自分に内心溜息を
吐いていたら、先生の手に
両頬を包まれた。