どうしよう、なんて
考えたのは一瞬で











「 ────────親公認だもん、あたし 」




たった一言で、意識丸ごと
現実に引き戻された。




「 ・・・・っ 」


「 紹介してくれたのは
  ナオちゃんでしょ? 」




先生の方を向けない。
そっと両手で耳を塞いで
だけど気になって
手に力は入れられなかった。




「 何で、違う子連れてきたの? 」


「 ・・・・愛 」


「 なに? 」


「 今度また来る。
  その話はそのときに 」


「 えー 」




先生の彼女を呼ぶ声は
聞きたくなくて、
すぐそこでしている
2人の秘密の話が
気になって仕方ないのに
知りたくない、と気付けば
ぎゅっと強く耳を塞いでいた。