窓際の一番後ろ。 日の当たるその場所で 私は真っ直ぐ彼を見ていた。 ついさっきまで彼のことを 何も知らなかった。 どこに居るのかも、 なにをしているのかも。 「 ・・・・東条、直斗 」 黒板に書かれた綺麗な字を 誰にも聞こえないような 小さな声で読み上げて、 ・・・・ああ、そっか。って 一人で納得していた。 初めて好きになった人は 担任の先生。 ただ、それだけの話。