「…よろしくお願いします…」 蚊の泣くような小さい声で、ボソッと一言。 金谷が、「おい、名前言い忘れてるぞ。名前」と注意すると そいつは慌てふためいた。 「…っー流賀心矢…りゅうがしんやです」 こいつ、何で二回も言ったんだ。 俺は心の中で突っ込んだ。 クラスの奴らは理想通りでは無かったのか、白い目で転校生を見ている。