君に一番近い空

【颯】

俺は次の日、病院に向かった。

「すみません。俺、写真を
落としてないですよね?」

「あ、これでしょ?」

やっぱり落としてたんだ…。

「はい、これ。」

渡されたのは他でもなく
俺と弟が写った写真だった。

良かった。

「会ってく?」

「へ?」

「写真拾ってくれた人に。」

「あ、はい。ぜひ。」

俺は看護師さんと向かった。

写真を拾ってくれた人の元へ。

病室の名前の欄には

『成瀬美咲』

の文字。

「美咲ちゃん、あなたにお客さん。」

看護師さんが中に入るよう
手で誘導する。

入ってみると、そこには一人の
女の子がいた。

この子は何かを持っている気がした。