きっと。 一生りおに告げることはない。 告げたら最後。 目の前のりおを永久に失うだろう。 「俺は、本当に望むものは手に入れられない」 「それはりおさんのことですか?」 「………さあな」 目の前の艶やかな黒髪を撫で続ける。 「俺は俺なりのやり方で、りおを護るだけだ」 榊が息を飲む気配がしたが、振り向かなかった。