りおと出会って3日。
その間、抱きたいと思う女はひとりもいなかった。
夜の街で慰めてくれようと寄ってくる女は山のようにいるだろうが誰にも心は惹かれない。
この3日、ただただ彼女が、りおが熱と痛みから解放されることを願った。
「……大丈夫だ。彼女は明日になれば微熱程度にはなる」
「ホントか?」
「縫合した指の方も侵出液もなく順調に回復してる」
「そうか、よかった」
安堵した。
手術する前にもしかしたら最悪の場合は切断すると成田が言い切ったからだ。
『……切断しなきゃ、いけない、の?』
ポロポロと涙を溢したりおの横顔が浮かんだ。
「ある程度は指も動くだろうと思ってる。治りは早いようだしな」
「腕は?腕はどうだ?」
「砕けた肘が治るにはリハビリも含めて半年は掛かる」
「半年、か?」
長いな。
「肘の方も治りがいいと思うがな」
成田は医者の見解から回復が早いと笑みを含んで言った。



