「……ひかるちゃんとは別れたんですよ」
「うそ」
りおが手に持っていたカップを取り落とした。
派手に割れた欠片を慌ててふたりで拾い集める。
「嘘じゃありません。ひかるちゃんには何も言ってませんが」
「な、なんで？あんなにひかる喜んでたのに…どうして……」
「わたしにはひかるちゃんは勿体ないんです。それが理由です」
「で、でも。あんなにひかるを可愛がってくれてたのに」
言葉を無くし目に涙を浮かべた。
「仁お兄ちゃんが反対したから？それともひかるが嫌いになったの？」
「違います、りおさん」
「じゃなんで？ひかるが子供だから？」
「それもあります。わたしたちは歳も違いすぎます」
「歳は関係ないよ」
「ひかるちゃんにはこれからたくさんの出会いがあるでしょう。わたしに構わなくても幸せになれます」
