榊がいとおしそうにりおをみつめる。

俺と結婚したりおを榊は今も変わらずに愛している。


「榊さん、コーヒーどうぞ」

「りおさんありがとうございます」


りおが運んできたコーヒーカップを持つ手に榊が触れてふたりがみつめあう。

甘い香りまで立ち上りそうなふたりからわざと目を反らした。


「コーヒーもう一杯くれ」

「はい。奏さん」


柔らかい笑顔で注いでくれるりおをまともに見られなくて胸が苦しくなる。

榊をみつめるりおに嫉妬し、見つめ返す榊に怒りさえ覚える。

コーヒーを一気に飲み干すと榊に見せつけるためにそのままりおの膝枕に寝転がった。