「狩野、森内がさっき叫んだ声がお前には聞こえたよな?」
「ええ、会場から引き摺り出された時わたしの名も聞こえました」
嘲笑う狩野を冷ややかに見つめる。
「なんて叫んだか覚えてるか?」
一瞬、考えるふりをした狩野が、
「ええ、覚えてますよ『蚊帳の外にいるんじゃねぇぞ!おまえも道連れだ!』と」
更にニヤリと笑った。
「なぜ森内はおまえの名を叫んだと思う?」
声が鋭くなっていくほどに狩野の唇の端が上がる。
「おまえと森内の間には何かあるのか?」
真っ向からの対立に、狩野は斜に見返した。
「別に何もありませんよ、若」
「あくまでも知らねえって惚ける気か?」
「惚けるなんてとんでもありません」
俺と話しているはずなのに後ろにいるりおを睨んでいるように感じられるのは気のせいか?



