「狩野は捕まえるから心配すんな」
「うん」
「俺は大丈夫だから。おまえの方が心配だ」
?
小首を傾げて俺を見つめるその瞳にキスを落とした。
「走り回って腹ん中のガキに何かあったらどうする?無茶するな」
耳元で囁いてまた抱き締める。
おまえの声をいつまでも聞いていたい……
おまえに触れていたい……
「若、狩野が来ました」
突然に甘い一瞬がぶっ飛んだ。
まだざわめきが収まらなかった会場内がまたざわめく。
狩野はふたりの男を引き連れ余裕の表情で中央に向かってつかつかと歩いてきた。
あまりの堂々とした態度に面食らう。
「若がわたしを呼んでると聞いてきたのですが、わたしに何か用でも?」
アルマーニのパーティー服。
軽い身のこなしで親父と俺の前に立つ。



