『若恋』若恋編





りおを胸に包んだまま、

「俺がこのまま狩野を逃がすと思うか」

「奏さん」

笑うとりおの瞳が丸くなった。


「狩野が大神を潰そうとするならそれ相応の代償を払ってもらう」


裏の世界を生きる俺たちの。
俺たちなりのけじめ。
そのけじめをきっちりつけてもらう。

りおには酷な場面を見せることになるかもしれねえが、大神に仇を為すものはこのままにしておくわけにはいかねえ。


「狩野を追い詰めるのはできるから大丈夫だ」

頭を優しく撫でると、りおが仰ぎ見た。

「おまえが不安に思うことねぇぞ」

「うん」

「おまえが狙われるかもしれねえのに放っておけるわけねえだろ」

ぎゅっ
強く抱き締める。

この腕の中にある命を守るためなら俺はなんだってする!