桐花が屈んでりおの涙を拭い、その手がピクリと反応した。 『……その名前を言ったらドウするの?』 『わたしは聞いた名前を奏さんに告げるだけ。…ヤクザな世界にはヤクザな法律があるだろうから…』 『………』 桐花が一瞬黙った。 教えることには拒否なのか。 『……ごめんなさい。 無理に教えなくてもいいわ。ごめんね変なこと言って』 りおが目を伏せたその時。 『……モリウチ』