『アリガトウ』

ふたりの小さな声が聞こえた。


『ううん。わたしこそありがとう。桐花さんと桃花さんがいてくれたから、わたしは愛するひとを守ることができるの』

りおが柔らかく微笑んだ。


『ふたりが話をしてるのを聞かなかったらわたしは大事なひとを失ってたかもしれないから、
……わたしこそありがとう』

頭を下げてまた微笑んだ。


『みんなを守ることができる。桐花さんと桃花さんのお陰なの。ありがとう』



りおの行動でみんなの運命が変わってく。

彼女たちは祖国の子供たちのもとへ。

俺は大神物産、大神組を守れる。



『ありがとう』



―――ありがとう




モニターの中のりおはそう言い涙を浮かべていた。


―――りお、ありがとう


おまえのお陰だ。

すべて。

ありがとう、りお。