『わたしは、桐花さんや桃花さんを救いたい……それだけ』
りおの強さが滲み出る。
モニターに映し出されるのは毅然とした意思のある瞳だ。
『ワタシと桃花を助けてくれる?』
ふ、と、口元に笑みを浮かばせた女がりおの手を握った。
『はい』
『祖国に戻りたいの。子どもが待ってるの』
『ええ、帰りましょう。わたしができることお手伝いします』
りおが息が出来るようになってふたりの手のひらを握りしめる。
闇に包まれた彼女たちの孤独。
差し伸べられた手を取るのは勇気が必要だったに違いない。
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