「しゅじゅつ?」
眉を潜める父親と声を震わせた母親が俺と成田を交互に見つめてその瞳が重く揺れた。
家族の同意もなく手術をしたことを先に詫びた。
「左肘の骨折手術と、右手小指の縫合手術でした。早い処置が必要でしたので」
「……骨折、…縫合」
顔色を無くし唇を震わせる。
「成田、後は俺が話す」
「そうか。わかった、任せる」
軽く頷いた成田の後を引き継いで、他の組織から狙われている俺を庇い、飛び出して撃たれたこと。緊急に手術が必要であったこと。そして、手術が終わり今は薬が効いて眠っていることをなるべく詳しく話した。
どう思われても仕方がない。
真実を曲げたくはなかった。
ありのままを伝えた。
「……そうだったんですか」
それきり言葉が続かず、ふたりは力が抜けたように項垂れた。
「責任はわたしがとります」
「え?」
「完治するまで責任もって娘さんを預かります」
「な、なにを?」
「お願いします」



