ふたりの名は桐花と桃花。
明らかな偽名だ。

髭を立てた団長に金を握らせると知っていることを自慢気に教えてくれた。

三年前に日本へ来たと言っていたが、メンバーに入ってきたのは一年ほど前で、それ以前は何をしていたのかは謎だった。

人付き合いは苦手なのか特定のひととしか付き合いはないらしい。
それでも、夜の街に出かけることは多いという話だった。

夜の街、ヤクザな世界にハマり抜け出せなくなってしまったのかもしれなかった。


団長にりおは金を握らせてお願いし、彼女たちをうまく控え室に呼びだしてもらうことに成功した。


「若、声も拾えます。カメラの作動にも問題はありません」


控え室に呼ばれた桐花と桃花がりおをじっと見つめていた画像が映しだされた。