言い出したらきかねえことぐらいわかってる。
その気の強いとこにホレてるんだからな。


「…奏さん、ありがと」

「ありがとじゃねぇよ。胸が潰れそうだ」


りおを離して背を向ける。
信じた道をそのままに突き進むりおを止められる奴はいない。


「俺は、俺のやり方でおまえを守る。おまえに指一本触れさせない」

好きなようにやれ。
ただ、忘れるなよ。




―――おまえより大事なものはねえってことを

忘れるな。