『若恋』若恋編




「駄目だ」

「どうして?わたしと仁お兄ちゃんしか知らないのに」

「おまえに危ない橋を渡らせるわけにはいかない」

「そんなこと言ってたら!奏さんが殺されちゃうの!」

りおが叫んだ。


「今なら食い止められるの!ふたりを見つけ出せれば!」


芯の強い瞳が真っ直ぐに俺の胸を貫いた。


「……わたし、奏さんを失いたくない。誰も失いたくないの」


ぎり。
りおの掴む指が食い込む。
力がこもる瞳と強い意思。





「―――わかった」


覗きこんでいたりおの瞳が輝きを放った。

―――おまえはいつも俺を驚かす

その小さな体のどこに人を突き動かすパワーがあるのか


「だが、無茶はするな」

「うん」

「何かあったら俺を呼べ」

「うんありがとう」

「仁、りおを頼むぞ」

「ああ、わかってる。誰にもりおには指一本触れさせない」

仁が頷いた。