血相を変えたりおを人目も気にせずに包み込む。
「りお、どうした?なにかあったのか?」
周りを見て、すぐに席を外し震えるりおの肩を抱き締めた。
「何があった?」
覗き込みりおがゆっくり話し出すのを待った。
「……女のひと、ふたりが奏さんとお義父さん、お義兄さんを狙ってるの」
「なに?」
その一言に凍りつく。
「わたし、女の人ふたりの会話を聞いちゃったの。仁お兄ちゃんも一緒に聞いたの」
「…どういうことだ?」
目が獲物を狙う鷹のように鋭くなる仁を見る。
「たぶん今日の余興で踊る奴らの中に刺客が紛れ込んでる」
「なんだって?」
衝撃的な言葉に絶句する。
「チャカを持ってる。ふたりの女のバックには彼女たちがボスと呼んでる黒幕がいるらしい」
「………」
「狙うは組長と、若」