夕刻。

大神一族関係者が集うクリスマスパーティーが予定通りに開催された。

りおに似合いの振り袖を新調し帯を緩めにしてもらい、何かあったら休むようにと言い聞かせた。


胸騒ぎがして落ち着かない。
りおが大神一族の仲間入りをすることの御披露目のパーティーであったが気持ちが昂ってるのか落ち着かない。


「仁、りおの護衛を頼む」

榊は親父に、仁は俺を護衛する任があったが仁にはりおを護衛してもらうことにした。

パーティーは不審な輩が邪魔をすることなく予定通りに始まった。
ワインタワーに注がれるアルコールの妖しい揺らぎ。

政財界のトップが招待されたパーティー。

大神を利用し、また反対に政財界を利用し、もちつもたれつ腹の中の探り合いをしている。


狐の化かし合い。
いや、狸の化かし合いだ。
愛想笑いで切り抜ける。