「だからって斬り合うなんて、ねえ」
加減ってものを知らないんだから!
ちらっ。
親父に視線を向け、親父もバツが悪そうな顔をし、
「留恵、結果的にはわしも奏も、りおさんも無事だったんだからいいだろ」
と、苦い笑いを溢した。
「母さん、親父を苛めても駄目だぞ」
ため息をつく。
いつもこうだ。
「母さん、俺はりおに子ができたからここに来たわけじゃないんだ。
りおには俺の生きていく世界を知ってほしかったから連れてきたんだ」
りおも留恵さんも顔を向けた。
「だから連れてきた。りおはこの間、龍神会を潰した時に俺のいる世界についていくって言ってくれたからな」
あの時、言った。
丸井が死んで、理不尽に命が散ることもある世界を見て、それでも俺と一緒に乗り越えてくれる。と。
ついてきてくれると。