りおが俺のために泣いてくれる優しさを。 壁に叩きつけた拳にすがり付いて痛くしないでと泣いた優しさを。 息絶えた丸井の手を握りしめて、理不尽な死を誰よりも悲しんだ優しさを。 そして、俺のために命を掛けて龍神会に乗り込んできた芯の強さを。 その強い瞳を。 「……俺が一番わかってる」 まっすぐ顔を上げてりおの両親を見る。 よく似た眼差しを見つめる。 「―――りおを俺にください」