『若恋』若恋編





りおには探してたと言ってない。探し回ってたと聞いたりおは目を上げて俺を見た。


「……探してたの?」

「まあな」


テーブルに上がっていたメモに気づかなかっただけだが。
探し回ったのは事実だ。


「ご、ごめんなさい」

「何を謝る?」

「でも」


りおのくちびるに人差し指で触れた。
それ以上言わなくていいと目で制す。



「俺たちは今夜はこのまま部屋で休む」

「そっか、そうだな」


仁が苦笑いを溢した。


「……じゃ、明日な」

「ああ」


仁が背中を向け、毅が一礼して去るのを見届けた。

エレベーターの扉が閉まる。



「……奏さん」

「部屋に入るぞ」


戸惑うりおの目を覗き込んで有無を言わせず部屋に入り、敷かれた布団の上に横たえた。


「……奏さん」

「おまえがいなくなったと思って探し回った」