『若恋』若恋編





隣の部屋の仁と毅を訪ねてもいない。


温泉か?


昨日と同じく貸し切りをした露天風呂を覗いても姿が見えない。

ラウンジにもロビーにもいない。

売店にも姿はなかった。



「どこに行った?」


何がなんだかわからなくてただ手当たり次第に思い付くまま探し回った。


どこを見てもいない。
声が聞こえない。
りおがいなくなったら景色が灰色に見えた。


旅館の浴衣姿、羽織のままのりおがいない。



「くそっ!!」


携帯を握りしめてあちらこちらを探し歩くが見つけられず、隣の仁の部屋に飛び込んだ。。



「仁!!」

「あ、なんだよ?」

「りおが見当たらねえ!」

旅館の浴衣着で胡座をかいて酒を煽っていた仁と毅が吹き出した。


ゲホゲホ
ゴホゴホ

「な、んだって!?」

「見当たらねえ!!」


みるみるうちに仁と毅の顔が険しくなった。