仁がりおの頭をポンポンと優しく叩いて屋敷に入るように促してもりおは立ち止まったまま、歩き出さなかった。 「迷わないよ、わたしは奏さんのそばにいる。 どんなに苦しくったって辛くったって逃げ出さない。 これからいろんなことがあっても離れたりしない」 「―――そうか」 意志の強い瞳で見つめ返したりお。 一度は触れるのを躊躇ったこの手で引き寄せて力一杯抱き締めた。 ―――もう迷わない。 俺の生きる道はひとつ。 「俺は、これから龍神会を潰す!!」