誰も悪くないわけがない。 ヤクザの抗争に巻き込んでケガさせてしまったのは俺だ。 俺が油断していたからだ。 「若、あと3分程で成田のところに着きます」 「わかった」 もうまともに彼女の顔を見れずに顔を背け窓の外の流れる景色を見た。 「お嬢さん、血液型は何型ですか?念のため」 「…B型、です」 「B型ですね」 窓に榊が頷いたのが映る。 「お名前を、」 ―――名前 告げるのをじっと聞いていた。 「…天宮、りおです」 あまみや りお