いずれは決着を着けねばならない相手。

もう我慢の限界だ。

ひとりで来いと言うのならりおを悲しませないためにどこへでも行く。



ただその前に―――



携帯にも登録していない、忘れられない電話番号のボタンを押す。


「もしもし、大神です。」


『…お久しぶりですね。三年ぶりでしょうか?』


静かで懐かしい声が過去の苦い記憶を思い起こさせた。

りおに出会う数年前に、唯一俺の話し相手になった少女。

ヤクザの世界にどっぷりとハマっていた俺に怖がりもせずに近づいてきて話し相手になった少女。

初めて龍神会と事件を起こした直後にその少女が向こう側の幹部の娘だと知った。



―――生きていたら



あの少女はどんな女性に成長したのか…わからない。