「……りお」


ベッドへと下ろしりおのネクタイを引き抜いた。


「そう?さん?」

「おまえに傷がないか確かめる」

「わたしがケガしたんじゃなくて榊さんが、」


「黙ってろよ」



開いていく白い肌に汚れはない。

榊と仁が守ってくれた。



「んっ、」

「りお」


このまま眠ってしまえばいい。
眠って今日の出来事を悪い夢だったと思ってくれればいい。

血生臭い世界なんて見るな。忘れてしまえばいい。



「……だ、め」

「忘れろ」

「んっ、」


震えてるりおを組敷いて息ができないほどくちづけ抱いた。







「―――りお、忘れろ」





そう願った。