「絶対にひとりにはなるな」
りおに学校内でも決してひとりにはなるなと話した。
龍神会のシマの荒らしや、組員とのいざこざ、昨夜はトラブルになった男が脇腹を刺されたこともあって、不穏な空気が漂っている。
りおが狙われないとは限らない。俺の急所がりおだとたぶん奴らも気づいている。
「仁、頼むぞ」
「わかってるさ」
学校の送り迎えに仁を名指しする。
車の運転で仁の右に出る奴はいない。
「龍神会が動き出してきてるので、りおさんはひとりにはならないように」
榊も学校の行き帰りに細心の注意を払う。
「学校内にも目を光らせてはいますが念のために」
「りお、俺たちが迎えに行くまでは学校から一歩も出るんじゃねえぞ」