「―――よかった無事で」
抱き締めたりおの体が小刻みに震えてた。
りおに服の乱れがないのを、仁に触れられなかったかを確認して額へとくちづける。
「奏さん。ごめんなさい」
「おまえが無事なら、それで。それでいい」
ギュッ
抱き締めると抱き締め返すりおに安堵した。
「若、」
榊の声に横を見ると仁が両手を広げられて身動きができないように毅、前広たちに捕り押さえられていた。
灯りを落とした部屋で金色の瞳が光る。
りおを抱き抱えたまま静かに仁に近づいた。
「仁、これはどういうことだ?説明しろ」
「………」
真っ直ぐに仁を見る。
どうして。
どうして俺を裏切った?
俺たちは兄弟も同然だったんじゃないのか?
何故?
りおを拐った?
「りおをどうするつもりだった?」
「………」
「答えろ」
「………」
沈黙が流れて、部屋の空気が重い。
「仁、答えろ」
「………」
「仁!!!!」
腹の奥底から吐き出すように叫んだ。



