『若恋』若恋編





命を掛けてりおを取り戻しに行く。

装填したハジキを脇に吊り、もしもの時には仁を撃たなければならない。


向こうも構えているだろう。
居場所がわれるのを仁もわかっている。
りおのGPSで知れる。

居どころが知れても構わないと。俺と一戦交えるのを望んだ仁。


「行くぞ!」

「はい」



そして。

夜毎、夜の蝶と群れた部屋へと車を飛ばし、闇に紛れて滑るようにマンション地下へ到着した。

来るのをわかっていたかのように、仁のところで見た男が待ち伏せしていた。




「申し訳ありません、ここから先は通せません」

「……りおが待ってる。通らせてもらう」


無視してエレベーターに乗ろうとすると、腕を掴まれた。


「離せ」

「上には行かせられません」

「もう一度言う。離せ」


グイッ
肘を捩り上げて音がするところで止めた。

「俺に触るな」